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九月某日 曇

寒い日。
仕事で近くまで来たので、神保町へいく。
欲しかった本2冊をみつけて嬉しくなり、勢いで5冊買う。
しばらく歩くと、気になる天丼屋をみつけ、
勢いづいているわたしは、迷わず暖簾をくぐる。
お昼時でにぎわっている。
創業昭和六年。はちまきというお店。
カウンターに座ると、両隣もすぐ埋まり、満席の中、天丼をいただく。
たれが甘すぎず、お米の味がしてたいへん美味しい。
湯呑みでいただくお茶が少し甘いのもよい。

お茶をすすりながら、奈良で飲んだお茶を思い出す。
煎茶を、丁寧に、ゆっくり、楽しむ。
なんとも言えぬ贅沢な時間。
3回目のお茶が終わって、最後、茶葉をポン酢でいただくことができるのは、
新鮮な若葉であることの証だとか。

ああ、わたし、奈良にいたんだな、と切なくなりかけたところで、

「熱燗1合!」
と聞こえた。
その日はおでんを食べようと心に決める。